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まちかど学舎として たいせつにしていること

-安心してお越しいただくための、わたしたちの約束-

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1.ともに問い、ともに育つ
  -かかわり方の哲学-

まちかど学舎では、「教える/教わる」の関係を超え、大人も子どもも“ともに学び合う存在”として関わります。一人の探究者として、子どもの問いに真正面から向き合い、大人も自分の思考をさらけ出す。そんなやり取りの中に、育ちの核心があると信じています。

けれど実際には、子どもが問いを出せずに黙り込むこともあるし、大人が言いすぎてしまうこともある。日々、ちょうどよい関わり方を探りながら、「過干渉せず、無関心にもならず」の絶妙な距離感を模索しています。

私たちは、すぐに答えを出すのではなく、子どもの迷いや問いを尊重し、ともに悩む姿勢を大切にしています。この姿勢は、国連・子どもの権利条約の精神にも通じています。子どもの声に耳を傾け、尊重し、対話を通じて共に学ぶ関係性。それが、まちかど学舎の根っこです。

2. 変化のそばに確かな安心を

人が変化するとき、心はとても柔らかく無防備になります。だからこそ、私たちは「安全」を最優先に据えています。自分の中にはそれまで気がつかなかったけれども、こういうところも、こういうところもある。それを自分自身で認めて、周囲もそれを承認することを大切にします。
また、身体的な安全も同様に最優先に守ります。「安全対策は結果がすべて」。いくら対策を講じても、結果的に事故が発生しているのでは意味がありません。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、そのさらに背後には300のヒヤリとする出来事がある――【ハインリッヒの法則】。私たちは、この「ヒヤリ」に気づける目を持ち続けたいと思っています。

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3. まちが見守る学び場 -地域とのつながり-

まちかど学舎は、「学び場」としての役割を校舎の中だけに留めません。
学びは教室の外にも、街のいたるところに広がっていると私たちは考えています。商店街の店主、畑を耕すおばあちゃん、地域の大学生、郵便配達の人。日常のまなざしを交差させながら、子どもたちは多様な大人の姿を見て育ちます。その中で、「社会は自分を気にかけてくれる」という実感が、生きる力の土台となるのです。
まちかど学舎は、地域の人々と協力しながら、子どもたちの探究のフィールドを広げています。「地域のことを知る」だけでなく、「地域の誰かと共に考える」ことで、子どもたちは自分の問いを社会につなげていきます。

また、このような関係性が、まち全体で子どもを見守る安全な環境をつくります。「顔の見える関係性」が、安心と信頼の土台になるのです。

4. 問いで学びが起動する

子どもたちは日々、「なぜ?」「どうして?」という問いを胸に秘めています。まちかど学舎では、その問いを出発点に、自分で調べ、考え、誰かと語り合い、また新たな問いを得る――そんな循環を重ねていく学びを大切にしています。
でも、問いを出すのって、実はすごく難しいことでもあります。誰かに否定されるんじゃないか、何も思いつかない自分が恥ずかしい……そんな気持ちに子どもたちは揺れながら、それでも少しずつ「聞いてみよう」とする勇気を育てていきます。

探究は「正解を覚える」学びではなく、「問い続ける力」を育てる学びです。すぐに解決を急がず、「わからなさにとどまる力(ネガティブ・ケイパビリティ)」こそが、現代の複雑な社会を生きるための根本的な力だと私たちは考えています。問いを耕しながら、自分なりの意味を探し続ける――そのプロセスこそが、まちかど学舎の探究です。

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5. 語れる自分を育てる
 -受験へのスタンス-

受験とは、「自分が何者で、どこへ向かおうとしているか」を問われる機会でもあります。特に探究型入試や総合型選抜では、点数だけでは測れない、「語れる経験」「納得して選んだ道」が重要視されます。

とはいえ、子どもたちは、最初から何かを語れるわけではありません。自分が何を大事にしてきたのか、そもそも自分は何者か。そんな問いに向き合うのは、苦しいし面倒でもあります。それでも私たちは、探究を通じて生まれた問いや体験を、自分の言葉で語れるようになる力を少しずつ育んでいきます。

志望理由の「作文」ではなく、自分の「物語」を語れるようになること。それが、進学後の歩みにもつながる、本物の力だと考えています。

6. ふたつの車輪で学ぶ
-探究と学力の関係性-

まちかど学舎では、教科書を使った学習指導は行っていません。しかし、私たちが日々実践している「問いを中心にした探究の営み」は、思考力・表現力・読解力といった教科学習を支える力と地続きです。

たとえば、小学校低学年では好奇心を引き出し、中学年では問いの立て方を育て、高学年からは対話や調査、発表へとステップアップできるように構成しています。結果として、学校での学びを深めたり、逆に教科で得た知識が探究で“使われる”場面も自然に生まれます。

「勉強を教えない塾なんですか?」と聞かれることもあります。わたしたちは、授業で解き方をなぞる“勉強の指導”を主軸にはしません。問いを軸に基礎を確かめ、表現と対話で応用へつなげ、必要な箇所は短い個別指導で補強します。この積み重ねが学校の学習や受験準備に直結する――それが、まちかど学舎の学力支援です。

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7. わたしたちの根っこ
-学びの哲学と科学的根拠-

まちかど学舎は、肌感覚としての実践知に加え、世界中の探究教育に関する理論的な蓄積も大切にします。

OECDのPISA調査では、探究的な授業に触れる頻度が高いほど、子どもたちの科学的リテラシーや自己効力感が高まることが示されています。東京大学CoREFの研究では、熟議や対話を基盤とした授業が学力と非認知能力の双方に良い影響を与えることがわかってきました。

私たちはこうした研究成果を踏まえながら、現場での違和感やズレも見逃さず、一人ひとりの子どもの変化を手がかりに、探究と育ちの関係を丁寧に編み直しています。

【出典リスト(参考文献)】

  1. OECD (2016). PISA 2015 Results (Volume II): Policies and Practices for Successful Schools. OECD Publishing.

  2. Dávila, A. & Mora, M. T. (2022). “Inquiry-Based Learning and Science Self-Efficacy: Evidence from PISA 2015.”

  3. 東京大学 CoREF(協調学習コンソーシアム)公式サイト・プロジェクト資料

  4. 黒上晴夫・川口晴美(2019)「探究の理論と実践」ミネルヴァ書房

  5. 広島大学 IDEC(教育開発国際協力研究センター)研究報告

  6. 白水始(2020)「PBL型学習における動機づけと自己調整学習の変容」千葉大学教育学部研究紀要

8. これからの社会を生きる子どもたちに

子どもたちは(もちろん私たちも)、先行きの見えにくい時代を生きていきます。そんな時代に必要なのは、「問いを立てることができる力」「多様な視点」「安心して失敗することができる環境」です。

でもそれは、魔法のように手に入るものではありません。葛藤し、迷い、時にはくじけながらも、自分なりに世界と向き合う姿勢を育てていく。私たちは、そんな“まっすぐで、不器用で、でも誠実な育ち”を、まちかど学舎でそっと支えていきたいのです。受験を手段としつつ、それにとらわれない芯のある学び。「どんな自分でも大丈夫」と思える、しなやかで力強い未来への一歩を、ともに探していきます。

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